「果てしなきセカイ」20万ヒット御礼企画・第ニ弾
遊び人☆着せ替えファッションショー
人気投票で1位となった遊び人に、他の職業の服(勇者・賢者の特殊職除く)を着せて遊んでみる企画です。
※時期的には遊び人と勇者がアレフガルドに向かう前で
「えー、皆さんどうもこんにちは。不本意ながらまたも司会を務めさせて頂きます、元盗賊の賢者です。
本日は企画第二弾として、先の人気投票で栄えある一位に輝いた女遊び人のファッションショーを開催する運びと相なりました」
「ちょ、ちょっと!聞いてないわよ?」
「俺が決めた。俺ァおまえのことが大嫌いだが、お前の外見については高く買っている。
色々な要素を踏まえ、今回は俺サマ手ずから写真集を作ってやることにしたってワケだ」
「なんでアンタが勝手に決めるのよ!私、帰る!!」
「まぁ聞けよ。人が異性にグッと来るポイントって何だと思う?……ギャップだよ。
お前さ、あのニヤケ勇者にいっつもバニー姿見せてっけど、そういうのはたまぁ〜に見るからイイんであって、
毎日見せられたら胃もたれ食あたりを起こすんだよ。分かる?このオトコゴコロ」
「……!そ、そうなの……!?」
「そうだ。お前、このままだと飽きられるぞ。……そこで、だ。
ここに魔法使いが作ったカメラという魔道具がある。
―――各衣装でイメチェンしたお前をこれで激写し、出来上がった写真集をお前んとこの勇者に見せるんだ。
普段とは違う清楚な服装や意外なコスチュームを身に付けたお前を見て、あいつだってドキッとするはずだぜ?
この企画に乗じてお前は恋が成就!人気投票一位のお前にスポットライトが当たってお客さんも喜ぶ!
金になる上に目の保養が出来て……じゃなくて、企画が成功すれば俺も嬉しい!どうだこのwin-win-winの関係!」
「う……な、なるほど……。一理あるわね」
「な?決まりだろ?さぁ、では有能なスタッフ達よ、主役のお召し替えを手伝ってさしあげろ!」
「はいはーい、来たで〜。さぁ遊び人、こっちこっち!」(ガシッ
「こんにちは、よろしくね!」(ガシッ
「あ、ちょ、ちょっと」(ズルズルズル……
「へっへっへ。上手いこと丸め込めたぜ」
「まるで詐欺の手口を見ているようだったが。上京したての田舎娘をかどわかす女衒(ぜげん)かよ……。
……おっと、さっそく一着目の支度が整ったようですね」
「まずは盗賊ファッションや!遊び人、出てきてええでー」
「うぅ……なんだかこれはこれで恥ずかしいわね……」
「女怪盗って感じね。すごく動きやすそう」
「露出の少なさに反して挑戦的なまでに浮かび上がるボディライン…ッ!こいつはたまらんぜ!」(パシャパシャ)
「……おまえさ…もう諦めてるけど、ちょっとはさぁ…」
「どんどん行くで〜。次はこれや!」
「フフ、なんだかおかしいわね。商人が3人並ぶだなんて」
「お揃いね!なんだかうれしいv」
「高い位置で括られたポニテの快活さとは裏腹に恥じらいの窺える表情が素晴らしいッ!目線くださーい!」(パシャッパシャッ)
「…………」
「まだまだ行くで〜。次は武闘家や!」
「近接戦闘はやったことがないし、こういう格好は新鮮だわ」
「いま流行りのツインテールね」
「エスニックテイストの服に、一見ミスマッチかと思える金髪…!
しかしそのハズシ加減が無性に心を掻き乱す……くぅ、マニア垂涎の一品ッ」(パシャパシャパシャ)
「勇者…なんかおまえのコメント、さっきから気持ち悪いんだけど……」
「なんかスタイリング魂に火が点いてしもたで!」
「私もなんだか楽しくなってきちゃった!次の衣装はこれよ、魔法使い!」
「ふふ、ハロウィンの主役になった気分だわ。マントっていいわね」
「マントの裏の試験管ポケットに見覚えがあるんだが……衣装は魔法使いから借りたのか?」
「そうよ」
「おい、余計なこと言うから出たじゃねぇか……!呼んでません!お引取り下さい!」
「あぁら。随分な挨拶だこと。そうそう、勇者に頼もうと思ってたことがあるの。
今ねぇ、人工生命の研究中なんだけど、そろそろ実験段階に入るから勇者にも手伝ってほしいのよ。
で、ホムンクルスの材料として各種ハーブと馬糞と精液と生き血が必要なんだけど……」
ダッ!!(逃)
「……まぁ、逃げるわな……」
「取り込み中みたいやけど、次の準備が出来たで〜」
「おおっ!これもなかなか!素材のゴージャス感を覆い隠そうとする質朴な僧侶ルック!
しかし衣服の禁欲的な雰囲気が皮肉にもその豊満さを際立たせる……ッ!こいつぁお宝だぜッ!」(パシャパシャパシャッ
「帰ってくるの早ぇな……(うんざり」
「お遊びとはいえ、僧侶の衣装なんて私が着ていいのかしら。高潔な人物がなる職業、ってイメージよね」
「僧侶が?高潔?いや全く」
「呼んだか」
「キャアアアアア!!呼んでないです!何でもないです!お帰りください!」
「さぁ、次はこれよ♪戦士!」
「コラァァアアッ!!なんでせっかくの戦士なのに男装備なんだ!
ドラクエ3の戦士つったら ビ キ ニ ア ー マ ー だろうがぁ!!!」
「だ、だってアレ、露出高いじゃない……」
「バニーガール姿とあんまり変わらんだろうが!許さん!やり直しを要求する!」
「勇者。まだ話は終わってないぞ」(頭ガシッ
「あ、ちょ、お願い、優しくしてください……」(ズルズルズル……
「……さて、これで終わりか?」
「人の髪を結ったりするのって、楽しいのね。面白かったわ」
「なかなか楽しめたで〜。ギャラも出るっちゅう話やし」
「うん、良いものが見れたよ 」
「ゆ、勇者!?いつからそこに!?」
「うちの腐れ勇者に任せておくのは不安だったので、実は最初から待機してもらってました」
「やっぱり遊び人は何を着ても似合うね」(ニコッ
「な、な……もうっ……バカ……ッ/////」
(ニヤニヤ)
(ニヤニヤ)
(ニヤニヤ)
「お、なんか知らんがそっちは上手くいったみたいだな!クッソ胸糞悪ィけど良かったじゃねぇか、ガッハッハ!
んじゃ、これにて一件落着!解散!!…… って、おい、ニヤケ勇者。なんだよこの手は」
「カメラっていうの?渡してもらえるよね」
「………………」
「………………渡してもらえるよね」
「……はい……どうぞ」
「はい、確かに。じゃあ遊び人、帰ろうか」
「え、あ、そうね」
「…………クソッ!やられた…!写真集を作って売りさばく計画が……」
「最低だな…おまえ……」
「汚い方の勇者さぁ〜ん。今日のギャラですけどぉ、今週中にポルトガ銀行にお願いしますね〜。
じゃ、私も帰るんで、これで。ほな、毎度ご贔屓に!」
「私はポルトガ銀行とアリアハン銀行に半分ずつお願いするわね。じゃあまた!」
「…………」
「さて、おれたちも帰るか」
「………………賢者」
「なんだ」
「……金かしてください」
「断る」
その後、リムルダール南方でひたすらゴールドマンを狩り続ける勇者の姿が目撃されたとかされなかったとか。
(2012/11/02)